海が怖いという女性

海が怖いという女性

ある時、海が怖いという女性の相談があった。

これは何か、以前海で溺れて亡くなったとか、

海で殺されたとかの、

私の前世が絡んでいるのでしょうか?という相談だった。

確かに、彼女の言う通り、

前世で、海で溺れた亡くなったり、

海で殺されたという強烈な思い出が、生まれ変わった現在に影響していて、

海が怖いという気持ちとなって表れている事がある。

では、目の前の相談者の女性がいう

海が怖いという気持ちは前世からのものだろうか。

私はこういう相談をされた時、

はたして、それが前世の影響か、

そうでないのかを判断する為に、ある質問をしている。

その質問とは、

小さい頃も、海が怖かったですか?

例えば、保育園の時とか、幼稚園の時とか

すると、彼女の答えは、

小さい頃は、海が怖いという感覚は無かったと思います。という。

なるほど、小さい頃は海は怖くは無かった。

そうなると、多分前世がらみでは無いだろう。と思った。

彼女は御年57歳である。

もし、海が怖いという気持ちが前世のものであれば、

前世から生まれたばかりの子供の時の方が、前世の記憶が鮮明なので、

今よりも海が怖いという気持ちが強いはずである。

それなのに、子供の頃は海が怖いという感覚は無かったという。

もし、海が怖いという気持ちが前世からの引継ぎであれば、

もう生まれた直後から、海が怖いはずである。

極端な例をあげれば、槍やりが怖いという女性が、

生れた時から、背中に槍やりで突かれたような傷跡あったりする。

そういう訳で、彼女には、

海が怖いという気持ちは、前世からのものでは無いと思いますと答えた。

ただ、これで相談が終了した訳では無い。

では、彼女の海が怖いという感覚は、どこから来ているのだろうか。

前世とは関係無いとなれば、あとは後天的な理由があるはずである。

そこで彼女に、

今まで、海で溺れたとか、海で嫌な事があったという経験はありますか?

と聞いてみた。

しかし、彼女の答えは海では特に怖い経験はした事ありません。という。

まぁ当然だろう。

もし海で怖い経験をしていれば、元から私に前世の事など聞いてこなかったはずだ。

では、彼女の海が怖いはどこから

まず私の経験から最初に考えらえるのは、

彼女の先祖や親族が海で亡くなっていないかという事である。

影響がよくあるとすれば、曾お祖父さん曾お祖母さんまでの代までである。

しかし、彼女は知らないといい、側に居たお母さんにも聞いたのだが、

親戚や先祖で海で亡くなったという話は聞いた事が無いという。

次に彼女に聞いたのは、

海が怖いという感覚は、いつ頃からしているのかという事である。

すると、高校生3年になった頃からだという。

随分前である。約28年前だ。

そんなに前からなら、海が危ないよ。という予言や注意では無いだろう。

ちなみに、その頃、

海が怖いという感覚の他に変わったという事はありませんでしたか。

例えば、好みが変わったとか、趣味が変わったとか、性格が変わったとか

しかし、当時は受験勉強まっさかりだったので、

海が怖いという感覚以外は感じなかったという。

こうなると、ちょっとお手上げである。

そこで彼女により詳しい話を聞く事にした。

彼女には、ご主人と子供が2人居るという事で、

休日に海に行こうとなると、彼女は必ず行かないというので、

休日は山か遊園地になってしまうという。

ただ、川はいいらしい。

部屋の真下に川が見えるホテルに泊まった時に、部屋からずっと眺めていられたという。

また、自分が海に行くのは嫌だが、

子供達が臨海学校で海に行くのは、別にかまわないらしい。

また、風呂やプールも抵抗感は無いという。

水関係では、海だけがダメな様だ。

ただ、海となると、たとえテレビ画面に出て来ても、

たまにその海の画面を見ながら、涙を流している事があるという。

きっと、何か海が怖いの中に、悲しい思い出が含まれているのだろう。

そんな感じを受けたが、結局、明確な理由や原因は分からなかった。

その原因かもしれない事実が、分かったのは、

それから半年あまり経った頃だった。

彼女からまた電話があり、

先日のお盆で、実家に帰った時、

お祖父ちゃんに、ご先祖で海で亡くなった人はいないか聞いたそうである。

すると、

ご先祖で海で亡くなった人は、お祖父ちゃんも心当たりが無いと言ったらしい。

ただ、ヨネは生前、海が怖いと言っていたな。と言うのである。

ヨネとは、お祖父ちゃんの奥さん。つまり彼女のお祖母ちゃんである。

どうして、お祖母ちゃんは、海が怖かったの?とお祖父ちゃんに聞くと、

結婚した頃は、絶対話してくれなかったそうだが、

結婚して随分経った頃、やっと話してくれたという。

それは、お祖母ちゃんがまだお祖父ちゃんと出会う前、

結婚まで約束していた、とても愛した恋人を、海で亡くしたのだという。

ちなみに、お祖母ちゃんが亡くなったのは、35年前だという。

私はその話を聞いて、

もしかしたら、貴方の守護霊の1人になっているのは、

お祖母ちゃんなのかもしれませんね。と言った。

よく自分の守護霊の好きなモノが、自分も好きになったり、

好みが同じになったりと、守護霊の生前の気持ちが映る事がある。

逆に言えば、こういう事で、自分の守護霊が分かる時もあるのだ。

守護霊がお祖母ちゃんかもしれないという事であれば、

これからはよりお祖母ちゃんの供養と感謝をいい、

時話しかけてあげると、良い事があるだろう。

そして、その時に

お祖母ちゃん、恋人が海で亡くなって辛かったよね。

でも、どうか私には海が怖い気持ちにさせないでね。

とお願いする様にアドバイスした。

その後、段と海が怖いという気持ちは薄れてきたという。